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2025年2月発売予定の『アサシンクリードシャドウズ』ゲーム#adのトレーラーでは、ゲームの2人の登場人物が敵と戦い、相手を斬り倒す場面が描かれている。その一人は伊賀国出身の女性忍のアサシン、奈緒江。彼女のキャラクターは架空だが、実際に戦国時代に存在した忍術流派、「伊賀流」の忍者に基づく。二人目の主人公は、実際に存在し、侍として織田信長に仕えていた黒人侍の弥助。『シャドウズ』のゲームプレイでは、奈緒江と弥助の両方の登場人物としてプレイができる。忍と侍それぞれには違うプレイスタイルと闘争のスキルセットがあり、多様な武器の選択肢もある。主人公を都度切り替えることが可能なこのゲームプレイ設定では、二人のユニークな登場人物とその専用ゲームプレイをより楽しむことができる。
しかし、この革新的なゲームプレイに関わらず、ある『アサシンクリード』のファンは弥助が主人公として登場していることについて不満をぶつけ、歴史上の彼は実際に存在しなかったと言い張るものもいる。弥助に対する批判は、日本を舞台とするゲームでは「なぜ日本人が主役でなく外国人である黒人を起用したのか」というコメントや、「ポリコレを極めるとこうなるのか」というクレーム、そして人種差別主義者のプレイヤーは黒人の主人公を嫌がって『シャドウズ』をボイコットするという意見などを含む。

写真提供:Tokyo Weekender
まずは、「弥助」という歴史上の人物が存在したかしなかったかの議論について明確化したい:弥助は実際に戦国時代の日本で生きていた人だ。イギリス出身の歴史家・教授であるトーマス・ロックリーの作品#ad『信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍』は、弥助の歴史と人生を詳しく述べている。弥助の出身国や日本に辿り着くまでの道についてはまだ不明な部分が多いが、ロックリー氏の様々な著作#adは数年続けた専門的な研究により、織田信長の家来の一員として活動した弥助の存在を示す歴史的証拠を集めて詳述している。
弥助の存在を主張するものはロックリー氏だけではない。戦国時代の専門家でもある歴史学者の平山優先生は、弥助は「本当の侍ではなかった」と否定する人に対してSNSサイトXでこう投稿した:「信長に仕える『侍』身分であったことはまちがいなかろう」。弥助は信長本人に扶持、屋敷、太刀を与えられた記録が史料に残っていることを証拠とし、この「主従の契約」により弥助は正式に侍身分として信長に仕えていたことを平山先生は証明している。
平山先生が提出する証拠は、FXシリーズ『SHOGUN 将軍』の第4話「八重垣」に描かれるあるシーンとよく似ている。「按針」と呼ばれるイギリス人のジョン・ブラックソーンは、虎永の命令により旗本となり、屋敷・扶持・奥方などが与えられる。不思議なことに、ブラックソーンや『ラスト・サムライ』のトム・クルーズのような白人男性の場合は「外人が日本文化と合一する」パターンに対する批判は少なく、その存在は認められるが、黒人の場合は「歴史的不正確性」を理由としてその存在に憤慨している。

写真提供:Kintaro
一方、弥助を『シャドウズ』の登場人物とした結果、日本人男性のキャラクターが消されてしまい、日本人および日本文化がゲームから消去されているとの議論はさらに複雑な問題。ある『アサシンクリード』のファンは「アフリカを舞台にしたゲームで、登場人物を白人にするのと同じだ。バカバカしい」と投稿した。『シャドウズ』の発売中止を求める請願に署名した10万人を超えるサポーターたちも、この意見に同感すると思われる。
請願に書かれているとおり、弥助のキャラクターに対する一番のファンの不満は「歴史的正確性と文化的敬意の欠如が深刻な問題となっている」ことや、「侍の本質と役割を誤解し続けている」こと。しかし弥助が実際に存在した歴史上の人物だったのなら、なぜそれはゲームでは「歴史的に不正確」な存在となるのだろう?

写真提供:Ubisoft
繰り返しになるが、主にこの問題の原因は人種差別だと思う。皮肉なことに、実際に生きていた弥助に対してファンは酷く批判するが、実在の伊賀忍者にインスパイアされた架空の人物「奈緒江」はなぜかファンに受け入れられる。奈緒江のキャラクターが忍を不正確に描いている、という批判はなぜ聞かないのだ?なぜフィクションの奈緒江は日本文化と伝統の代表にはなれるが、弥助はそう認められないのだ?黒人の主人公をゲームに登場してもらうことはただの「ポリコレ」態度にすぎないという意見は正直聞き飽きたが、現代では多様性のキャラクターをメディアに含むと、このような反対意見が出るのは残念ながら予想どおりだ。
日本人の『アサシンクリード』ファンは、『シャドウズ』の二人の登場人物のうち一人は民族的に日本人ではなく、黒人であることに対して不満を抱く理由は理解できなくはない。しかし弥助に対するそのネガティブなリアクションは、現在の日本社会で未だに普及している外国人嫌悪や一般的な「外人嫌い」のメンタリティーの反映なのではないか、と思う。このような激しい意見を持つ日本人は自分自身の考えを一度反省するべきだ。『シャドウズ』には日本人の主人公がすでに一人登場している。なぜ彼女だけでは物足りないのか・・・?
メイン画像提供:Ubisoft
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