【ネタバレレビュー】『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン2第6話「市井の人々」

文:ルイス(Read in English

訳:スナイダー・オリビア

スコア:50点

残念ながら、またペースが遅い新エピソードが放送されてしまった。先週の退屈過ぎてうたた寝してしまいそうな第5話に比べるとまだマシだが、このシーズンの筋はいつになったら動き出すんだ⁈

シーズン2は将来のストーリーに向けて様々な脇筋をゆっくりビルドアップし、登場人物の中に緊張を組み込んでいくスタイルだとは分かっているが、この時点では観ていてあまりにも退屈過ぎる。〈ハレンの巨城〉でのらくらするデイモンをまた見せる意味はあったのか⁈その脇筋はいい加減にそろそろまとめろよ!続きのシーズンを数年後にいくつか放送し、この稼ぎ頭でもあるHBOシリーズからお金を稼ぎ続けるため、そこまで深くないストーリーを1つのシーズンにわざと伸ばしている気がする。

ただ文句を言いにきたと思われるかもしれないが、第6話にもメリットは少々あった。今までのレビューを振り返ればこのシーズンの一番の文句は脚本の悪化したクオリティだが、ありがたいことにこのエピソードでは改善されている。このシリーズの主なテーマはCGIのドラゴンやキスシーンではなく、視聴者に強い興味を持たせる物語を描くことだと、やっと脚本の作者たちが思い出したみたいだ。

しかし一番視聴者としてイライラすることは、シーズン2の全体的なペース。ただ無駄な努力をしている気がする。ラリスとエイゴンの間のシーンなど、良くできていたシーンは数々あったが、その他はストーリーのペースの足を引っ張るばかりだ。

第6話復習(ネタバレあり)

今週のエピソードの出来事を深く分析しよう...と言いたいところだが、あまりにも退屈で寝てしまうのもおかしくない。

第6話「市井の人々」は、まだ〈ハレンの巨城〉でグズグズしているデイモンで幕を開ける。この厄介者は、〈ハレンの巨城〉がまるで中世のエアビーのようにずっとそこでのんびりしている。デイモンの悪夢は続き、熱に浮かされているようだがその幻は本人のセラピーでもある。亡き兄のヴィセ―リス王(パディ・コンシダイン)が現れるフラッシュバックの夢では、王はデイモンの「一日だけの世継ぎ」の残忍な冗談を厳しく叱る。続いて、妻エイマを亡くしたヴィセ―リスを慰める夢を見る。

これらの幻視は涙ぐましいが、ただデイモンの「個人的成長パワポ」の発表を観ている気がする。

デイモンはずっと昼寝をしているのかと思い始める頃、ストーリーの展開がやっと起きる。アリス・リヴァーズの「助け」により、タリ—家の当主グローヴァ―・タリ—が亡くなり、若き孫息子のオスカーが当主となってチーム・デイモンの一員になろうとする。

その間、翠装派側ではエイモンドは王様ごっこを満喫している。次々と人を戦場に派遣し、それに巻き込まれたクリストン・コールも全然バトルを楽しみにしていない。エイモンドは「そのうち」にドラゴンのヴァ―ガーと一緒に行くと約束する。

エイモンドの約束はさすがに信じづらい。加えてエイモンドの命令により、アリセントはあっさりと小評議会から追放される。

一方レイニラとミサリアが考えた、キングズランディングの市井を味方に引き入れるマスタープランとは、食糧を乗せた小さな船を沢山市内に送ること。それを受け入れる平民たちは教会に行くアリセントとヘレイナ女王を見かけ、町中で暴動を起こす。その光景はまるでブラックフライデー1だが、安売りのテレビではなく平民たちは女王たちを狙っている。

エイゴンが寝込んでいる間、ラリスは裏で王の手になろうとする。ラリスを見え透いたエイモンドは彼を「ヒキガエル野郎」と侮辱し、代わりに祖父のオットー・ハイタワーを呼び戻せと命令する。いくらエイモンドでも水準だけはしっかり身に付けている。エイモンドといえば、彼は黒焦げになった兄エイゴンの部屋を訪れ、感動的な兄弟同士のシーンがある。「感動的」とは、エイゴンが焼き殺されそうになった本当の理由をもし誰かに喋ると、口封じのため次こそエイモンドは最後まで王殺しを果たすとエイゴンを脅すシーンのことだ。

正直に言うと、少しエイゴンが可哀想。

そう簡単には思いとどまらされないラリスは、エイゴンと腹を割って話す。お互いの障害とその不自由を泣きながら語る二人はとても感情的だった。ラリスの隠された動機への違和感を抱いていなければ感動したかもしれない。

続いてメインイベントに入ろう:ドラゴンライダーの入団テスト!レイニラの遠い親戚にあたるステッフォン・ダークリンは、ドラゴン「シースモーク」に騎乗しようとするがその挑戦は上手くいかない。ステッフォンはカリカリに焼き殺されるが、諦めないレイニラは剣術を学ぼうとする。本人は凶器を持ち歩くことで部下の尊敬と恐れを得る目的なのでしょう。領主のバーティモスに指導力を批判されるレイニラは、彼の顔をためらわずに平手打ちする。さすがレイニラ、やっと女王としてのリーダーシップと責任を発揮し始めた。

谷間の高巣城「アイリー」では、レイナは秘密のドラゴンが隠されていることに気付く。その発見はまるで近所の人が庭にモンスタートラックを隠していたかのようだ。レイナに責められたジェイン・アリン女公は、「あ、それ?気にしないで」とちゃっちゃと質問を避ける。

コアリーズは父と息子同士の絆を形成するべきだと急に決め、アリンに共に海に旅立つことを命じる。その間、アリンの弟アダムは浜辺でシースモークに追いかけられ襲われる。その光景はまるでリアリティ番組『バチェラー』でファイナルローズを勝ち取った競技者のドラゴン版みたいだ。

最後に、エピソードの一番胸キュンするシーン:レイニラとミサリアが腹を割って話していると、急に熱いキスを交わす。

この展開はずっと前から予想していた。嬉しい展開でもあるが、主な不満点はキスまでのビルドアップの話。ミサリアは自分の過去を初めて語り、父に虐待され妊娠し、その後父に殺されそうになった非常に残忍な過去を振り返る。このような内容は決してロマンチックではなく、なぜそれがキスへと繋がるか理解できない。全体的にこのエピソードの最低点だ。

二人が熱くパッションに包まれるなか、シースモークに新たな乗り手が発見された突然のニュースに邪魔される。レイニラは直ぐにドラゴンに乗ってドラゴンストーンから出発し、シースモークの方に向かう。ここでエピソードが終わる。レイニラはきっと一体何が起きているのか混乱しているが、視聴者のみんなも同じ気持ちだ。レイニラは新しいドラゴンライダーと直面するのか?デイモンは一生〈ハレンの巨城〉に残るのか?次のエピソードでは重大な出来事が実際に起きるのか?今の時点では答えは一つもない。

最後に

どこから始めればいいんだろう?この時点では、シーズン2についてもう言いたいことは全て言った気がする。このエピソードは、ぺちゃくちゃ喋るけど実際には何も意味のある内容を話していない人物がテレビ化したようだ。最悪ではないが、良い評価はさすがに正直に出せない。

アダムとドラゴンのシーンは一体何だったんだ⁈父コアリーズが認めてくれない私生児のアダムからは、「もう父の影に隠れない、自分の運命を自分の手で掴む」的なエピックなシーンを期待していたが、代わりに岩の前で畏縮するアダムが描かれた。レイニラがステッフォン・ダークリンに伝えた「ドラゴンは恐怖を感じ取るとその乗り手を認めない」注意はどうなったんだ?

シースモークは怯えるアダムを見つけて「それでいいや」とでも思ったのか?

原作の小説『炎と血』を読んだことがないため、次に何が起きるかは分からない。しかし『ゲーム・オブ・スローンズ』を観ていたときもそうだったが、あの頃はシリーズが非常に面白くて次に何が起きるか楽しみだった。なぜ?『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン1~4の脚本が大変良く出来上がっていたからだ(シーズン5~8はいまいちだったが...)。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シリーズはポテンシャルがある内容でも、どの展開でも直ぐに解決してしまうからストーリーが充実していない気がする。ドラゴンライダーになるトライアウトは素晴らしい展開となるポテンシャルはあったが、代わりに男の人が一人カリカリに焼かれるシーンだけだった。加えてこのシーズンのエピソードは計8話しかない。2年間も待ち続けていたのに、8話しか観れないのか⁈第5話と6話は、シーズン2の四分の一となるが、ストーリーの内容を一個も前に進めていない。視聴者としてイライラの気持ちしか感じない。貴重な8話しかないのに、外伝的エピソードにこんなに時間を無駄に使うのか?このシーズンを例えると、まるで豪華なコース料理を注文したはずなのにお通しとお冷だけが出された気分だ。

最終的に、このエピソードはまあまあ良い。でもそれこそが問題だ。こんなに大きな予算と一流の俳優ばかりのキャストを手に入れたのに、「まあまあ良い」レベルじゃ足りない。あまりにも将来のシーズンを気にして、まるでシーズン2を面白くすることを忘れたみたいだ。

写真提供:HBO

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  1. アメリカでは11月の第4木曜が感謝祭(祝日)となっており、商店が閉まるが、翌日の金曜日は、クリスマス商品を買い求める客が急増し、赤字だった商店も黒字に転じることから(ALC英辞郎) ↩︎

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