文:ルイス(Read in English)
訳:スナイダー・オリビア
第4話「緋竜と金竜」:100点満点
第5話「摂政」:60点
第4話は驚くほど素晴らしいエピソードだった!このクオリティこそが『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に相応しい。普段与えない点数だが、第4話は100点満点だった。これほどのスケールが大きいドラゴン対ドラゴンのバトルは今までテレビで観たことがなかったが、待った甲斐があった。正直に言うと最初はバトル自体が描かれないか不安だったが、やっとその衝撃的なシーンにたどり着くと、自分の希望に応えるどころかそれを超えていた。これから先もこのようなインパクトあるストーリーが続くことを願っている。
しかし、第5話となると複雑な感情ばかりだ。悪くはないが、第4話がまだ強い印象を残していたため、しようがなく比較してしまう。ゆっくりしたペースで対話が多いエピソードにしては良くできているが、将来のストーリーの基礎を組み立てていても改善の余地はあった。
第4話+第5話復習(ネタバレあり)

第4話「緋竜と金竜」は〈ハレンの巨城〉で悪夢をみるデイモンで幕を開ける。ある幻視では、デイモンは若いレイニラと一緒にレッド・キープ城の鉄の玉座の前に立っている。デイモンは幻のレイニラから、女王を滅ぼそうとしていると非難される。デイモンはデイモンらしく、その恐ろしいレイニラの首を斬り、疑いに答える。マット・スミスの演技力は高いが、これらの〈ハレンの巨城〉のシーンは少し飽きてきた。その間、レイニラは行方不明のまま、評議会のメンバーはそわそわする。
キングズランディングでは、エイゴンは脇に追いやられたことでイライラし、一方エイモンドは皆と心理戦を行っている。女優オリヴィア・クックの素晴らしい演技を通して、エピソードはアリセントが段々自分には実は権力がないことに気付く発現を描いている。もう一つのアリセントのハイライトは、グランド・メイスターからもらった堕胎薬の「月の茶」を飲むシーン。クリストン・コールの赤ちゃんを産むわけにはいかないアリセントは、その間、ヴィセ―リスが本当にエイゴンに世継ぎになって欲しかったのか、亡き王の遺言を解こうとする。
翠装派は嫌いな登場人物ばかりだが、褒めるべきでもある:戦場では、ウェスタロスで一番嫌われている人間クリストン・コールのお陰で翠装派の勝利が続く。彼は次々と村に侵攻し、逆らう主君がいればその首を斬って前に進む。クリストンがここまで性格悪い間抜けじゃなかったら、もっと彼の戦術を褒めるところだが...彼の新しいヘアカットもまるで鎧を着けている子供のようだ。

続いてメインイベントに入ろう:〈深山鴉の巣城〉の戦闘。シーズン2が始まってからずっとこの場面を待ち続けてきた。レイ二スは緋竜「メレイズ」、エイゴンは金竜「サンファイア」、そしてエイモンドは巨竜「ヴァ―ガー」:壮大なスケールでの三つどもえのドラゴンの戦いだ。戦場へ向かって飛ぶエイゴンを目撃するレイ二スの「このガキをボコボコにする」ような感情を描く笑顔が好きだった。CGI技術は素晴らしく、空中バトルの擬闘を観ててずっとハラハラしていた。ドラゴンたちを知的な生き物として描いたことも良かったと思う。エイゴンに優しく頭突きをするサンファイアを観ると、二人の間の好意が明かだ。メレイズも同じく、レイ二スと深い繋がりを持ち、守る意志が強い。ヴァ―ガーがメレイズの首を嚙み砕く瞬間は残忍だったが、大変良く出来上がっているシーンだった。クライマックスとしてエイモンドは自分の兄を殺そうとする...エイモンドはいかにも恐るべき人物だ。

あら探しをするつもりはないが、戦場の現場で実際何が起きていたか観たかった。兵士対兵士の戦いのシーンもあれば戦自体の仕上がりがより良くなったと思う。この手直しさえあったら、『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン6第9話「落とし子の戦い」のように、フランチャイズのなかで最も良いトップのエピソードになれたでしょう。だが最終的に、正直に言うと「緋竜と金竜」は十分に満足だった。
続いて第5話「摂政」。このエピソードはまあまあだった。キャラクターたちは〈深山鴉の巣城〉で起きた戦いの直後、それぞれ立ち直ろうとしている。気楽なエイモンドだけが自慢げにレッドキープ城を歩き回っている。
キングズランディングでの状況は結構暗い。食糧が少なく、市井の人々のイライラと不満が増えるなか、メレイズの頭部を街中で見せびらかすことは平民の士気を高めていない。この戦争の人的損失を描いていることは良いことでもあるが、時にはストーリーのペースが遅いと感じる。
ドラゴンストーンでは、レイニラは評議会との協力に苦労している。王女は命令を出そうとしているが、思い通りに評議員の主君たちは言っていることを聞いてくれない。彼女が難しい立場にいることは分かっているが、反作用を示すだけのレイニラに正直飽きてきた。何とかしろよ、レイニラ!

デイモンはまだ〈ハレンの巨城〉にいるが、正直このようなシーンは外伝的にしか思えなくなってきた。また変な悪夢や幻視(今回は亡き母を含む幻…)を見続けるデイモンは、アリス・リヴァーズという謎の魔女っぽい女と出会い、軍隊を作り上げようとする。俳優マット・スミスはもちろん好きだが、この脇筋も早く本筋に戻ってほしい。
ジャセアリーズとフレイ家の間の交流はまあまあ面白かった。若者たちもこの戦争に取り組んでいる場面があっていいが、より興味深い筋の一つが比較的脇役のキャラクターを使っていることが少し残念。少なくとも、若きジェイスは戦略的に思考し、スターク家の軍隊の通行許可を得ている。加えてキャラクター同士の良いシーンも数々あった。コアリーズとベイラがレイ二スのレガシーについて振り返るシーンはとても好きだった。レイニラとジャセアリーズの重い期待を背負う大変さの会話も良かったと思う。キングズランディングでは、重傷を負って動けないエイゴンが王として活動できない間、エイモンドは素早く兄の玉座に立つ。それを目撃するアリセントは、自分自身をどれだけ欺いてきたかに気付く。しかしその驚きの感情はあくまでも偽善的な考え方。アリセントはレイニラの王位継承権を反対し僭主の翠装派に入ったが、翠装派は元々女は玉座に相応しくない考えをはじめに、レイニラではなくエイゴンが王になるよう密かに計画してきた。その同じ翠装派がまさかアリセントに摂政になってほしいとは本人は思っていなかったでしょう...?
最後に

この二つのエピソードを振り返ると、葛藤した感情を抱く。第4話はこのシリーズの一番良い部分を全部合わせている:壮大なバトル、政治的陰謀、そしてドラゴン!ジョージ・R・R・マーティンの世界とストーリーを元々好きになった理由を思い出させるテレビの素晴らしい一話だった。
一方、第5話は...悪くはないが、ペースがあまりにも遅すぎて飽きてしまう。次の内容に向けて登場人物の展開や対話のビルドアップも重要だとは分かっているが、このペースのままだと根気が試される。
内容が良く出来上がっていれば、ゆっくりしたエピソードも観る価値はある。『ゲーム・オブ・スローンズ』のピークは政治的陰謀やキャラクター同士の対話を中心にしたエピソードだった。その「ゲーム」こそ上手に操ることができる登場人物の動きを観るのがとても好きだった。残念ながら、前話のレビューで書いた通り、このシーズンの主な問題はキャラクターたちが愚かで何も行動をとらないこと。きつい批判だがこれは事実だ。このエピソードで一番知性のあるキャラクターはジェイスとベイラだったが、それは良いことでも他の登場人物たちは一体何をやっているんだ?このシーズンの中間地点をもう過ぎてしまったが、レイニラは今まで特に何も有意義な行動をとっていない。第3話でアリセントと会ったことはメジャーだったが、そのシーンの演技が良くてもストーリーの内容に関しては特に影響はなかった。

このシーズンを観ていると、嫌な予感がする:『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン5〜7を思い出す。悪くはなかったが、前のシーズンに比べると脚本、つまりキャラクター同士の対話や絡み、のクオリティが落ちていた。前には政治的陰謀のストーリーを観てハラハラドキドキしていたが、今は退屈に感じる。デイモンのシーンは特に、マット・スミスがいくら好きでもこの〈ハレンの巨城〉のシーンは非常につまらない。デイモンの展開はどこにも進まない気がする。
一番不安になることは、次のエピソードを観るわくわく感が一つもないこと。これこそ悪い兆しだ。政治的陰謀はこの世界の一番の魅力のはずなのに、視聴者の私の興味を過去のように掴んでいない。このシリーズが好きな気持ちは変わらないし、全体的には良いと思うが、マイナスが増えていることは無視できない。『ゲーム・オブ・スローンズ』がファイナルシーズンで脱線した直前と同じく、ストーリー内で問題が発生している。どうか『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』には同じ道を歩んでほしくない。
第5話は一般のテレビエピソードにしては標準を超えているが、今までのシーズン2のなかで一番弱いエピソードだ。悪くもない、良くもない。しかしここまでポテンシャルがあるシリーズにしては、「悪くはない」の評価は物足りない。
シーズン2の後半で好転させることを願っている。今までのビルドアップは将来に大きな効果を出すかもしれない。しかし今はシリーズの将来が心配になってきた。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に私の考えが間違っていることを証明してほしい。前任者の失敗から学び、このシリーズこそに相応しい、壮大な戦いと複雑なキャラクターを中心にしたストーリーを描いてくれ!
写真提供:HBO
アマゾン・アソシエイトとして、対象商品を購入すると報酬が得られます。
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の世界をより深く知りたい方には、シーズン1#ad、そして原作の小説#adをおすすめします。
「ザ・パス」(「道」)は、芸術・文化・エンタメを取り上げるバイリンガルのオンライン雑誌。サイエンスフィクションとファンタジー系の大人気映画・テレビシリーズ・ゲームの徹底的なレビュー、ニュース、分析や解説などを提供している。
知的財産とメジャーなフランチャイズを深く調べることで読者および視聴者の皆さんの大好きなシリーズ本、映画、ゲーム、テレビシリーズについて新鮮なコンテンツを作っている。主に『ウィッチャー』、『サイバーパンク2077』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』、『フォールアウト』、そして『SHOGUN 将軍』を取材している。
私たちのブログ活動をサポートしたい方へ:資金調達をしています!コーヒー一杯の値段を寄付することで、私たちはブログを続けることができます。これからも読者の皆さまに英語及び日本語で一流のポップカルチャー記事を提供したいと思います。よろしくお願いします!Thank you!

